2015年5月2日土曜日
サンディエゴに来ました。INTA(インターナショナル・トレードマーク・アソシエーション)の年次大会に参加するためです。
サンディエゴは、いい天気で暖かいです。出発前、東京も夏がきたような天候でしたが、同じような感じです。
ホテルは、この大会のためと思いますが、そして私の参加決定が遅かったためでしょうが、予約には苦労しました。
写真(上)は、今日から5日間宿泊するホテルです。割と会場近いため決めました。今、すでに12時を過ぎているのに若者が騒々しいなど、決してお勧めできるホテルではありませんが、なんとかなるでしょう。モーニングコールもありませんので、明日の朝は初めてスマホの目覚ましを使います。
写真(下)はは、ホテルが面した通りから会場方向(南)を見たものです。
2015年3月27日金曜日
私も同様に感じていました。台湾、中国からは多くの人が参加しているように思いました。韓国、フィリピン、香港、マレーシアからも来られています。それに引き替え、日本人は少ないように思いました。そして、私が話した人は大抵日本語を話すことができました。
彼女も、アジアの近隣国からの参加に比べて、ホスト国である日本の参加者が少ないと感じたのでしょう。
2015年3月26日木曜日
International Trademark Association (INTA)のミィーティングが今日明日の2日間、東京ヒルトンホテルで開催されます。今日のセッションで興味があったのは、地理的表示(Geographical Indications)です。日本からは、農林水産省の藤田氏が、今年6月から施行される、いわゆる地理的表示法についてから説明があり、次に、小泉弁護士が、日本で地理的表示保護制度が導入されるされることを賞賛しつつ、その導入によって生じるであろう課題について、商標法あるいは国際条約の観点から発表されました。
しかしながら、保護すべき地理的表示は農産物だけではありません。手工芸品などのようなその地域で独特の方法でつくられるものがあります。
これをタイに在住のlawyer(フランス人)は、Geo-authenticity(地理確実性)という言葉を使用して説明していました。「Innovation without patents」という書物が参考になります。
2014年10月26日日曜日
自炊代行サービス、知財高裁においても著作権法違反に。
<事案の概要>
被控訴人(小説家,漫画家)は控訴人(自炊代行業者)に対して、控訴人が、権利者の許諾なく、第三者から注文を受けて,小説,エッセイ,漫画等の様々な書籍をスキャナーで読み取り,電子ファイル化するサービスを行う行為が、著作権侵害(複製権侵害)にあたるとして、差止及び損害賠償請求を行った。
<争点>
1.控訴人ドライバレッジによる複製行為の有無
2.著作権法30条1項の適用の可否
<裁判所の判断>
1.争点1について
(1) 「複製権」とは,著作物を「印刷,写真,複写,録音,録画その他の方法により有形的に再製すること」である(同法2条1項15号)。本件サービスにおいては,書籍をスキャナーで読みとり,電子化されたファイルが作成されており,著作物である書籍についての有形的再製が行われていることは明らかであるから,複製行為が存在するということができるのであって,有形的再製後の著作物及び複製物の個数によって「複製」の有無が左右されるものではない。
(2) 控訴人ドライバレッジは,独立した事業者として,本件サービスの内容を決定し,スキャン複製に必要な機器及び事務所を準備・確保した上で,インターネットで宣伝広告を行うことにより不特定多数の一般顧客である利用者を誘引し,その管理・支配の下で,利用者から送付された書籍を裁断し,スキャナで読み込んで電子ファイルを作成することにより書籍を複製し,当該電子ファイルの検品を行って利用者に納品し,利用者から対価を得る本件サービスを行っている。したがって,利用者が複製される書籍を取得し,控訴人ドライバレッジに電子ファイル化を注文して書籍を送付しているからといって,独立した事業者として,複製の意思をもって自ら複製行為をしている控訴人ドライバレッジの複製行為の主体性が失われるものではない。 ・・・ 利用者は本件サービスを利用しなくても,自ら書籍を電子ファイル化することが可能であるが,そのことによって,独立した事業者として,複製の意思をもって自ら複製行為をしている控訴人ドライバレッジの複製行為の主体性が失われるものではない。
(3) ・・・ からすれば,本件サービスにおいて,書籍の調達,送付行為が持つ意味は大きく,利用者が,書籍の電子ファイル化を「管理」しているのであるから,スキャン行為の主体は利用者であって,控訴人ドライバレッジは利用者の「補助者」ないし「手足」にすぎず,控訴人ドライバレッジの複製行為の主体性は阻却される旨主張する。
一般に,ある行為の直接的な行為主体でない者であっても,その者が,当該行為の直接的な行為主体を「自己の手足として利用してその行為を行わせている」と評価し得る程度に,その行為を管理・支配しているという関係が認められる場合には,その直接的な行為主体でない者を当該行為の実質的な行為主体であると法的に評価し,当該行為についての責任を負担させることがあり得るということができる。
しかし,・・・ 控訴人ドライバレッジは,利用者からの上記申込みを事業者として承諾した上でスキャン等の複製を行っており,利用者は,控訴人ドライバレッジの行うスキャン等の複製に関する作業に関与することは一切ない。
そうすると,利用者が控訴人ドライバレッジを自己の手足として利用して書籍の電子ファイル化を行わせていると評価し得る程度に,利用者が控訴人ドライバレッジによる複製行為を管理・支配しているとの関係が認められないことは明らかであって,控訴人ドライバレッジが利用者の「補助者」ないし「手足」ということはできない。
(4) ・・・ 以上によれば,本件サービスにおける複製の対象,方法,複製物への関与の内容,程度や本件サービスの実態,私的領域が拡大した社会的状況の変化等の諸要素を総合考慮しても,控訴人ドライバレッジが本件サービスにおける複製行為の主体ではないとする控訴人らの主張は理由がない。
2.争点2について
著作権法30条1項は、①「個人的に又は家庭内その他これに準ずる限られた範囲内において使用することを目的とする」こと、及び②「その使用する者が複製する」ことを要件として,私的使用のための複製に対して著作権者の複製権を制限している。
そして,前記2のとおり,控訴人ドライバレッジは本件サービスにおける複製行為の主体と認められるから,控訴人ドライバレッジについて,上記要件の有無を検討することとなる。しかるに,控訴人ドライバレッジは,営利を目的として,顧客である不特定多数の利用者に複製物である電子ファイルを納品・提供するために複製を行っているのであるから,「個人的に又は家庭内その他これに準ずる限られた範囲内において使用することを目的とする」ということはできず,上記①の要件を欠く。また,控訴人ドライバレッジは複製行為の主体であるのに対し,複製された電子ファイルを私的使用する者は利用者であることから,「その使用する者が複製する」ということはできず,上記②の要件も欠く。
・・・ そうすると,本件サービスにおける複製行為が,利用者個人が私的領域内で行い得る行為にすぎず,本件サービスにおいては,利用者が複製する著作物を決定するものであったとしても独立した複製代行業者として本件サービスを営む控訴人ドライバレッジが著作物である書籍の電子ファイル化という複製をすることは,私的複製の過程に外部の者が介入することにほかならず,複製の量が増大し,私的複製の量を抑制するとの同条項の趣旨・目的が損なわれ,著作権者が実質的な不利益を被るおそれがあるから,「その使用する者が複製する」との要件を充足しないと解すべきである。
以上のように、原審は維持されましたが、控訴人が上告することも考えられます。
2014年8月29日金曜日
中国改正商標法、2014年5月からスタート!!
主な改正点としては、 (1) 多区分出願と先使用権、 (2) 限定的な出願分割制度、 (3) 著名商標の表示禁止、 (4) 異議、無効の主体的要件の厳格化、 (5) 商標の普通名称化に基づく取消、 (6) 登録商標の使用を損害賠償の前提、 (7) 審理期間の設定などがあります。
それは兎も角、システムの不具合で5月以降に出願された商標の審査は、未だ停滞した状態とのことです。電子出願制度が導入されましたが未だにシステムは動いていません。宇宙へロケットを飛ばす技術力がありながら、4か月間もトラブルが続いているとは、信じられません。
日本の企業が中国へ商標登録出願するに際して気を付けることは、会社の登記簿謄本と委任状(包括委任状制度なし)が必要ということです。
また、中国は、日本と違って付与前異議申立制度ですが、異議申立については代表者の委任状の原本が2通必要です。1通は商標局が保管し、もう1通は出願人に送付するということです。(代表取締役がサインしていない場合には、異議申立が無効になるのでしょう。)
他にも代表者の委任状の原本が必要な手続としては、譲渡、使用許諾登録、登録商標の放棄(一部放棄含む)などがあります。
2014年6月25日水曜日
ホンダのバイク「スーパーカブ」立体商標登録!
ホンダのバイク「スーパーカブ」が立体商標登録されました。
1958年の販売開始からこれまでに160か国以上で8700万台以上販売されたということです。
このように長期にわたって販売されている商品は、モデルチェンジによって発売当初のものとは外観が異なって(商標の同一性が失われて)いるのが通常です。この商品の登録が認められたのは、大きなモデルチェンジがなかったことが理由のひとつでしょう。
審査の経過をみると、審査の段階で、審査官は、通常のバイクの形状を表しているに過ぎないという理由で登録を拒絶しました。
出願人(本田技研工業株式会社)は、特許庁の上級審である審判を請求しました。審判においても、通常のバイクの形状を表しているに過ぎないという審査結果は支持されましたが、出願人が審判で主張した、「永年の販売によって当該バイクの形状を見れば需要者はその出所を識別できる」という理由を採用しました。審決は、次のようにいっています。
「使用に係る商標ないし商品等の形状は、原則として、出願に係る商標と実質的に同一であり、指定商品に属する商品であることを要するというべきである。」
「本願商標は、1958年以降、モデルチェンジを繰り返し、派生モデルも生じているものの、その特徴において変更を加えることなく、本件審決時までの50年以上にわたって、請求人により製造、販売されている二輪自動車であるスーパーカブの立体的形状であり、その生産台数は一貫して極めて多く、日本全国で販売され、幅広い層の需要者に使用されているものである。また、本願商標は、長年にわたり多くの広告や雑誌等において紹介され、そのデザインの継続性から各種デザイン賞にも選定されているものであり、さらに、本願商標と出所の混同を生じるおそれがある他人の二輪自動車は見当たらないものといえる。
そうとすれば、本願商標は、二輪自動車について使用された結果、請求人を出所とする識別標識として、需要者が認識するに至ったものというのが相当であるから、本願商標は、自他商品識別力を獲得するに至っており、本願の指定商品である二輪自動車の需要者が、本願商標に接するときは、請求人に係る二輪自動車であることを認識することができるものというのが相当である。
したがって、本願商標は、商標法第3条第2項の要件を具備するというべきである。」(不服2013-009036)
2014年6月22日日曜日
(続)「LADY GAGA」はCDやDVDの品質(内容)表示か?

早いもので、先の投稿から数ヶ月経過しました。その後、他の研究部会へ出席し、諸先輩の話を伺い、私の考えも変わってきました。。
昨年12月に「LADY GAGA」判決(H25.12.17 知財高等判 H25(行ケ)10158 審決取消請求事件)が出ました。日本弁理士会商標委員会は、昨年10月に『歌手名・音楽グループ名』よりなる商標の拒絶理由の運用について、特許庁に要望書を提出しています。
知財高裁の判決は、日本弁理士会商標委員会の要望とは反対の結論であり、現在の特許庁の運用を認めるものです。
「判決を是認する立場」の諸先輩によると、CDやDVDにおける歌唱者名の表示は、商品であるCDやDVDの出所(製造者・販売者)を表示するものではなく、内容表示にあたるというものです。
歌唱者名が無名なら、内容表示に該当しないが、歌唱者名として名が知られていくにつれ、当該歌唱者とその者による演奏・歌唱との間には一体的な意味合いが生じ、当該歌唱者名は当該演奏・歌唱の内容そのものを認識させるようになります。レディ・ガガのような著名な歌手になれば、需要者は、そのCDやDVDに収容された楽曲の歌い手ととらえるので、それは、本来的に登録することができない商標(商標法3条1項3号)に該当するというものです。
歌唱者名が無名ならば登録され、有名になれば登録されないというのは、信用の化体した有名な商標がより厚く保護されるべき商標制度の趣旨に反しているようにも思われますが、商品等との関係で識別力を有さない商標を保護しないのは、商標法の基本的な考えですから、諸先輩の上記「判決を是認する立場」が正しいのでしょう。


