私も同様に感じていました。台湾、中国からは多くの人が参加しているように思いました。韓国、フィリピン、香港、マレーシアからも来られています。それに引き替え、日本人は少ないように思いました。そして、私が話した人は大抵日本語を話すことができました。
彼女も、アジアの近隣国からの参加に比べて、ホスト国である日本の参加者が少ないと感じたのでしょう。
International Trademark Association (INTA)のミィーティングが今日明日の2日間、東京ヒルトンホテルで開催されます。 ホンダのバイク「スーパーカブ」が立体商標登録されました。
1958年の販売開始からこれまでに160か国以上で8700万台以上販売されたということです。
このように長期にわたって販売されている商品は、モデルチェンジによって発売当初のものとは外観が異なって(商標の同一性が失われて)いるのが通常です。この商品の登録が認められたのは、大きなモデルチェンジがなかったことが理由のひとつでしょう。
審査の経過をみると、審査の段階で、審査官は、通常のバイクの形状を表しているに過ぎないという理由で登録を拒絶しました。
出願人(本田技研工業株式会社)は、特許庁の上級審である審判を請求しました。審判においても、通常のバイクの形状を表しているに過ぎないという審査結果は支持されましたが、出願人が審判で主張した、「永年の販売によって当該バイクの形状を見れば需要者はその出所を識別できる」という理由を採用しました。審決は、次のようにいっています。
「使用に係る商標ないし商品等の形状は、原則として、出願に係る商標と実質的に同一であり、指定商品に属する商品であることを要するというべきである。」
「本願商標は、1958年以降、モデルチェンジを繰り返し、派生モデルも生じているものの、その特徴において変更を加えることなく、本件審決時までの50年以上にわたって、請求人により製造、販売されている二輪自動車であるスーパーカブの立体的形状であり、その生産台数は一貫して極めて多く、日本全国で販売され、幅広い層の需要者に使用されているものである。また、本願商標は、長年にわたり多くの広告や雑誌等において紹介され、そのデザインの継続性から各種デザイン賞にも選定されているものであり、さらに、本願商標と出所の混同を生じるおそれがある他人の二輪自動車は見当たらないものといえる。
そうとすれば、本願商標は、二輪自動車について使用された結果、請求人を出所とする識別標識として、需要者が認識するに至ったものというのが相当であるから、本願商標は、自他商品識別力を獲得するに至っており、本願の指定商品である二輪自動車の需要者が、本願商標に接するときは、請求人に係る二輪自動車であることを認識することができるものというのが相当である。
したがって、本願商標は、商標法第3条第2項の要件を具備するというべきである。」(不服2013-009036)

早いもので、先の投稿から数ヶ月経過しました。その後、他の研究部会へ出席し、諸先輩の話を伺い、私の考えも変わってきました。。
昨年12月に「LADY GAGA」判決(H25.12.17 知財高等判 H25(行ケ)10158 審決取消請求事件)が出ました。日本弁理士会商標委員会は、昨年10月に『歌手名・音楽グループ名』よりなる商標の拒絶理由の運用について、特許庁に要望書を提出しています。
知財高裁の判決は、日本弁理士会商標委員会の要望とは反対の結論であり、現在の特許庁の運用を認めるものです。
「判決を是認する立場」の諸先輩によると、CDやDVDにおける歌唱者名の表示は、商品であるCDやDVDの出所(製造者・販売者)を表示するものではなく、内容表示にあたるというものです。
歌唱者名が無名なら、内容表示に該当しないが、歌唱者名として名が知られていくにつれ、当該歌唱者とその者による演奏・歌唱との間には一体的な意味合いが生じ、当該歌唱者名は当該演奏・歌唱の内容そのものを認識させるようになります。レディ・ガガのような著名な歌手になれば、需要者は、そのCDやDVDに収容された楽曲の歌い手ととらえるので、それは、本来的に登録することができない商標(商標法3条1項3号)に該当するというものです。
歌唱者名が無名ならば登録され、有名になれば登録されないというのは、信用の化体した有名な商標がより厚く保護されるべき商標制度の趣旨に反しているようにも思われますが、商品等との関係で識別力を有さない商標を保護しないのは、商標法の基本的な考えですから、諸先輩の上記「判決を是認する立場」が正しいのでしょう。

先週、日本商標協会での「LADY GAGA」判決(H25.12.17 知財高等判 H25(行ケ)10158 審決取消請求事件)の検討会がありましたが、都合が悪く参加できませんでした。日本弁理士会商標委員会は、特許庁の運用を変えて欲しいという(要望書(『歌手名・音楽グループ名』よりなる商標を拒絶する運用について)を提出していますが、この判決は特許庁の運用を是認するものです。
判決の概要は次のとおりです。
LADY GAGA本人が代表を務める会社(原告)は、商標「LADY GAGA」について特許庁に商標登録出願しましたが、,第9類「レコード,インターネットを利用して受信し,
及び保存することができる音楽ファイル,映写フィルム,録画済みビデオディスク及びビデオテープ」を指定商品とする本願商標については登録が認められませんでした。そこで、特許庁による審決の取り消しを求めて提訴したものです。
審決の理由は、本件商品に使用した場合,これに接する取引者・需要者は,当該商品に係る収録曲を歌唱する者,映像に出演し,歌唱している者を表示したもの,すなわち,その商品の品質(内容)を表示したものと認識するから,本願商標は,自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものといわざるを得ず,また,本願商標をその指定商品中,上記「LADY GAGA」(レディ(ー)・ガガ)と何ら関係のない商品に使用した場合,商品の品質について誤認を生ずるおそれがあり,したがって,本願商標は,商標法3条1項3号及び4条1項16号に該当するというものです。
裁判において、原告は、
1 本願商標の自他商品の識別力を認定するに当たり,具体的な使用態様を限定して判断を行ったことの誤り
2 本願商標の自他商品識別力の有無に関する判断の誤り
3 本願商標のような歌手名等が現実に自他商品の識別標識として機能している事実を看過したことの認定の誤り
を主張して争いましたが、いずれについても認められませんでした。
そして、次のように判示しました。
以上によれば,「LADY GAGA」(レディ(ー)・ガガ)は,アメリカ合衆国出身の女性歌手として,我が国を含め世界的に広く知られており,「LADY GAGA」の欧文字からなる本願商標に接する者は,上記歌手名を表示したものと容易に認識することが認められる。論点は、歌手(アーティスト)名がレコードや録画済みDVDの品質(内容)表示(商標法3条1項3号)に該当するか否かということです。人の氏名は識別力を有しますが、「レコード」等の商品について識別力を有するどうかです。判決は、「当該商品に係る収録曲を歌唱する者,又は映像に出演し歌唱している者を表示したもの,すなわち,その商品の品質(内容)を表示したもの」であるから自他商品識別力を否定していますが、賛成できません。収録曲を歌唱する者等が商品の品質(内容)表示か否かはさて置き、歌手(アーティスト)名が商品の出所であれば自他商品識別力があるといえるからです。
そうすると,本願商標を,その指定商品中,本件商品である「レコード,インターネットを利用して受信し,及び保存することができる音楽ファイル,録画済みビデオディスク及びビデオテープ」に使用した場合,これに接する取引者・需要者は,当該商品に係る収録曲を歌唱する者,又は映像に出演し歌唱している者を表示したもの,すなわち,その商品の品質(内容)を表示したものと認識するから,本願商標は,自他商品の識別標識としての機能を果たし得ない。したがって,本願商標は,商標法3条1項3号に該当する。
・・・
しかし,我が国を含め世界的に広く知られた歌手名を表示したものと取引者・需要者が容易に認識する本願商標が,指定商品中本件商品において自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないことは,上記1(2)に判示したとおりである。自他商品の識別標識としての機能を果たし得ない以上,本件商品において本願商標が表示されて使用された場合,品質(内容)の誤認を生じることがあり得るとしても,出所混同を生じさせることはないから,原告の主張には理由がない。