2013年11月29日金曜日

博多織事件

法の女神
(福岡地方裁判所H24.12.10 H23年(ワ)1188)
日大法学部で、上記判決についての、土肥一史先生のお話を聞いてきました。
地域団体商標についての初めての侵害事件判決ではないかということです。
「博多織」の地域団体商標の商標権者である原告工業組合が、原告工業組合の組合員ではないが、福岡県の事業者であり、博多織製法によって織られた織物から造られた帯を製造・販売している被告らによる「博多帯」標章の使用につき、商標権侵害等を主張しました。
判決は、商標法26条1項2号に該当するので、商標権侵害には該当しない(原告敗訴)ですが、被告の使用が「普通に用いられる方法で表示」されていることは疑問です。
福岡高等裁判所の判断が待たれます。

2013年5月16日木曜日

「おんせん県」商標登録認めず

大分県が出願した「おんせん県」の商標登録について、特許庁から拒絶理由通知が送付されたということです。「おんせん県」が単に「多数の温泉がある県」程度の意味を説明するに過ぎないので、自他商品役務識別力を発揮しないというものです(商標法3条1項3号)。
 大分県は昨年から観光PRで打ち出しているキャッチフレーズを法的に保護しようとしていました。

2013年2月2日土曜日

紙おむつ(ごみ貯蔵機器)事件の判決がでました

特許権侵害における損害賠償額の算定について注目を集めた事件です。概要は次のとおりです。

紙おむつ処理容器事件(H25.2.1知財高裁判決 H24(ネ)10015)

原告:サンジェニック・インターナショナル・リミテッド(英国)
被告:アップリカ・チルドレンズプロダクツ株式会社(大阪市)

紙おむつ処理容器の特許権を有する原告が被告に対し、イ号物件の輸入・販売等の差止及び廃棄並びに損害賠償を求めた事案です。原告はH10年11月まで被告をわが国の総代理店として特許製品の販売をしていたが、それ以降訴外コンビ社を総代理店としたが、被告がイ号物件の製造販売を行ったため本件訴訟に到りました。

論点:損害賠償額はいくらか?

第一審(東京地裁大須賀裁判長):
 イ号物件が原告の特許権を侵害していることを認めたものの,特許法102条2項の適用を否定し、認容額を約2100万円としました。
 原告は,コンビ社に独占的販売権を付与し,わが国におけるごみ貯蔵機器に関する原告製品の輸入及び販売等は,コンビ社において担当していたものと認めることができるのであって,原告が我が国において本件特許権を実施していたと認めることはできない。
 したがって,原告においては,特許法102条2項の推定の前提を欠き,同条項に基づき損害額を算定することはできないというべきである。
 ・・・ 侵害者が1つ侵害製品を販売した場合に原告が自ら特許権を実施していたのと同様の利益を喪失するということはできないし,原告が我が国において本件発明1を実施しているのと同視できるだけの事実関係が明らかにされているとはいえない。
知財高裁(大合議、飯村裁判長):
 原審を変更し、支払額を約1億4800万円としました。
 特許法102条2項は,民法の原則の下では,特許権侵害によって特許権者が被った損害の賠償を求めるためには,特許権者において,損害の発生及び額,これと特許権侵害行為との間の因果関係を主張,立証しなければならないところ,その立証等には困難が伴い,その結果,妥当な損害の塡補がされないという不都合が生じ得ることに照らして,侵害者が侵害行為によって利益を受けているときは,その利益額を特許権者の損害額と推定するとして,立証の困難性の軽減を図った規定である。このように,特許法102条2項は,損害額の立証の困難性を軽減する趣旨で設けられた規定であって,その効果も推定にすぎないことからすれば,同項を適用するための要件を,殊更厳格なものとする合理的な理由はないというべきである。
 したがって,特許権者に,侵害者による特許権侵害行為がなかったならば利益が得られたであろうという事情が存在する場合には,特許法102条2項の適用が認められると解すべきであり,特許権者と侵害者の業務態様等に相違が存在するなどの諸事情は,推定された損害額を覆滅する事情として考慮されるとするのが相当である。そして,後に述べるとおり,特許法102条2項の適用に当たり,特許権者において,当該特許発明を実施していることを要件とするものではないというべきである。
まとめ:
 特許法102条2項については、特許権者が実際に当該特許権を実施していることを要するか否かという論点がありました(別冊Jurist特許判例百選第4版p.175)。
 原審は、通説に沿って特許権の特許発明の実施を要件としたが、今回の大合議判決では、通説を否定し「特許法102条2項の適用に当たり,特許権者において,当該特許発明を実施していることを要件とするものではない」と判示しました。
 本件のように、特許権者がわが国で実施許諾している場合には侵害によってロイヤルティ収入が減るなどの損害を被ることもあります。条文どおり、特許権者による特許発明の実施は特許法102条2項の適用要件ではありません。

2013年1月25日金曜日

「あずきバー」は井村屋の商標(知財高裁) 

知財高裁が、「『あずきバー』は井村屋の商品として広く認識されている」として、請求を認める判決をしました。特許庁で商標登録が認められなかったので、井村屋グループ(津市)が特許庁の審決取り消しを求めていたものです。
 棒状アイス「あずきバー」は、1972年から販売が続いており、販売数量が2億5800万本(2010年度)に上るなどから、高い知名度を得ていると認定したものです。
 私の奥さんによると、「『あずきバー』というと井村屋だよなあ。」ということです。彼女は三重県の鈴鹿市で育っています。ともあれ、地方の企業の商品が東京で認められたということです。
 井村屋グループのコメントは、「長年大事に育ててきた商品の実績が認められ、うれしい」とのことです。1本30円として78億円の売り上げです。・・・、されどアイスクリーム!

※参考審決 不服2011-16949

広告 商標登録のことならnewponへ。無料相談受付中。